スマホと親子の心の交流〜バランスよく付き合うために〜
親子の心の交流がもたらす嬉しい影響と、スマホとの関わり方でゆっくり感じられる変化、そしてこれからの心地よい付き合い方について、やさしくご紹介します。
スマホと親子の心の交流
〜バランスよく付き合うために〜
そっと目を合わせる、表情を交わす、声をかける——その積み重ねが、子どもの心をゆっくり育てます
一方で今の時代は、スマートフォンがとても身近になったことで、親子の「スマホとのちょっとした付き合い方(テクノフェレンス)」によって、こうした温かい交流の時間がほんの少しずつ減ってしまうこともあるかもしれません。今回は、親子の心の交流がもたらす嬉しい影響と、スマホとの関わり方でゆっくり感じられる変化、そしてこれからの心地よい付き合い方について、やさしくご紹介します。
1親子の心の交流が子どもに与える4つの好影響
① 自己肯定感と安心感の醸成
子どもは、親と目を合わせ、自分の表情や声に反応してもらう体験を通じて、「自分は大切な存在なんだ」「受け入れられている」という感覚を身体全体で学びます。
赤ちゃんが「あー」と声をあげたとき、親が目を見つめて「あー、たのしいね」と笑顔で応えると、子どもは自分の働きかけで親が反応してくれたことに喜びを感じ、自己肯定感の芽生えを得ます。
② 社会性・共感性の発達
親が変化させる表情や口調(喜び、驚き、心配、優しさなど)を間近で観察し、それに応答するやり取りの中で、子どもは感情の種類やその表現方法を学んでいきます。
転んでしまった子どもに対し、親が心配そうな顔で「痛かったね、びっくりしたね」と抱きしめながら声をかけると、子どもは自分の感覚と親の共感的な表情・言葉を結びつけ、共感性を身につけていきます。
③ 言語能力とコミュニケーション能力の獲得
言葉の習得は、単に単語を覚えるだけでなく、「視線・表情・声のトーン」といった非言語のやり取りとセットで身につくものです。
「おおきなくまが来ました」と低い声・険しい表情で感情豊かに絵本を読み聞かせることで、子どもは言葉の持つ世界観を立体的に理解し、自分でも感情を言葉で表現しようとする意欲が高まります。
④ 自己調整能力の育ち
幼少期の子どもは、自分の怒りや不安を一人でコントロールすることができません。親との心の交流を通じて、感情を静める方法(心のブレーキ)を覚えていきます。
パニックになっているとき、親が目線を合わせて「悔しかったんだね」と落ち着いた声で肯定してあげることで、子どもは徐々に呼吸を整え、自分の感情と折り合いをつける練習を重ねていきます。
2スマホとの付き合い方で、ゆっくり感じられる変化
① 安心感を感じにくくなることも
子どもが親に顔を向けたとき、親の視線がいつも画面に向いていると、子どもは「気づいてもらえていないのかな」と、ちょっぴり寂しい気持ちになることがあります。
そうした場面が積み重なると、自分の存在をゆったりと感じにくくなったり、親子の心の結びつきをじんわりと感じにくくなったりすることもあると言われています。
② 共感力や言葉の育ちがゆっくりになることも
画面越しではない「生の人間の表情の動き」や「声の微妙なニュアンス」に触れる機会が少しずつ減っていくと、相手の気持ちをそっと察する力や、やりとりする力がゆっくり育っていくことがあります。
言葉そのものを耳にする機会はあっても、視線や文脈が伴わないと、言葉の本当の意味や、相手とのやりとりの感覚が身につくまでに、少し時間がかかることがあります。
③ 気持ちを落ち着ける練習の機会が減ることも
子どもが泣いたり気持ちが高ぶったりしたとき、目を見て一緒に落ち着くのではなく、なだめるためにスマホ(動画やゲーム)にそっと頼ってしまうと、子どもが「自分の気持ちを対話でゆっくり静めていく」経験を積む機会が少し減ってしまうことがあります。
そうした積み重ねから、気持ちの切り替えに時間がかかったり、かんしゃくが長く続いたりすることに、つながる場合があります。
まとめ|これからのデジタルツールとの付き合い方
「そっと目を合わせる」「表情をやわらかく変える」「いろいろなトーンと言葉で語りかける」という親子のふれあいは、子どもの「心」「頭」「人とのつながり」をゆっくり育んでくれる、とても優しい「心の栄養」です。
もちろん、スマートフォンはとても便利で、毎日の生活を豊かにしてくれる存在です。その一方で、親子関係にも気づかないうちに少しずつ影響していることがあるのも事実。無理に遠ざけようとせず、心地よいバランスで、ゆったりと付き合っていきたいですね。
- 食事中や絵本の時間はスマホを置く
- 子どもが話しかけてきたときは画面から目を離して目を合わせる
- 「ながら対応」ではなく、短時間でも“質の高い時間”を意識する