「デートDV」という言葉を聞いたことがありますか? 実は、特別な家庭や特別な子どもだけに起きるものではありません。「好きだから心配」「付き合っているんだから当然」という言葉の裏に、支配や暴力が潜んでいることがあります。このブログでは、デートDVの基本知識から具体例、そして早めに気づくためのサインまで、わかりやすくお伝えします。
デートDVとは何か
デートDVとは、交際関係にある相手から受ける暴力や支配のことです。「殴る・蹴る」といった身体的な暴力だけでなく、言葉・態度・SNSによる監視・行動の制限なども含まれます。
高校生の交際では、「好きだから心配なんだ」「恋人なんだから当然でしょ」という言葉に隠れて、コントロールや支配が起こりやすいという特徴があります。
デートDVの具体例
- 押す・叩く・物を投げる
- 腕を強くつかむ
- 壁に追い込む
- 「お前は何もできない」と繰り返す
- 無視・仲間の前でバカにする
- 「別れるなら死ぬ」と脅す
- スマホのパスワードを強制共有
- 友人関係を制限する
- 位置情報を常に送らせる
- 断っているのに性的行為を求める
- 「付き合ってるから当然」と言う
あるエピソード(架空の事例)
高校2年生のAさんは、交際当初「誰よりも大事にする」と言われていました。しかし次第に、
と求められるようになりました。嫌だと伝えると彼は急に怒り出し、
と責め続けました。やがて腕を強くつかまれるようになりましたが、怖くても別れられず「私がもっと頑張れば大丈夫」と思い込んでいました。これは、典型的なデートDVのパターンです。
デートDVが続くと起きること
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😔
自己肯定感の低下
「自分が悪い」「自分には価値がない」と思い込むようになります。 -
🚪
孤立
友人・家族から引き離され、相談できる相手がいなくなります。 -
📈
エスカレート
言葉の暴力→物を壊す→身体への暴力、と段階的に激しくなることがあります。 -
🔁
将来の人間関係への影響
支配される関係を「普通」と感じるようになり、大人になっても同じパターンを繰り返す危険があります。
保護者の方へ
注意して見たいサイン
- 急に友人と遊ばなくなった
- スマホに極端に怯える
- 自分を責める言葉が増えた
- 交際相手の話題で表情が曇る
大切な関わり方
- 「なんで別れないの?」と責めない
- まず気持ちを聞く
- 安全を最優先に考える
- 必要なら専門機関につなぐ
被害を受けている子どもは「怒らせた自分が悪い」と感じていることが多く、自分から打ち明けることが難しい状況にあります。まず「あなたのことが心配」という姿勢で接することが大切です。
予防のためにできること
対等な関係とは何かを教える
嫌なことは断れる。どちらかが我慢し続けない。話し合いができる。こうした関係の基本を早い段階から伝えていきましょう。
感情の扱い方を学ぶ
怒りや不安を「相手を支配する」形で処理しないこと。感情をコントロールするスキルは、健全な関係の土台になります。
早めに相談する習慣をつくる
学校の先生・スクールカウンセラー・地域の相談窓口など、話せる場所があることを知っておきましょう。
最後に
デートDVは、特別な家庭や特別な子どもに起こるものではありません。
「好き」という気持ちの中に、支配や恐怖が混じったときに起こります。
怖さがある関係は健全ではない。
このことを、早い段階から子どもたちに伝えていくことが、予防の第一歩です。
参考文献・出典
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内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査報告書」(令和5年度)
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/h11_top.html -
認定NPO法人エンパワメントかながわ「デートDV白書VOL.5 全国デートDV実態調査報告書」(2017年)
※交際経験のある中学生・高校生・大学生1,329人のうち38.9%が被害を経験と報告。
https://notalone-ddv.org/more/229/ - 棟居徳子(金沢大学)「デートDVの実態から今後の課題を考える―予防教育と被害者支援の必要性―」デートDV白書VOL.5収録(2017年)
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塩田萌ほか「大学生におけるデートDVに関する認識」岡山大学医学部保健学科研究論文
岡山大学リポジトリ(PDF) -
広島県「若年層におけるデートDVに関する意識調査」(毎年度実施)
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/51/dvishikichousa02.html