こどもの自制心、判断力を身につけるための親の「させる」力・
子どもが「○○してくれない」問題・・・
「服を着替えされてくれない。」「歯みがきをさせてくれない、スマホを返してくれない。」
子どもが嫌がる気持ちもわかりますが、こんな時、保護者の主導権「させる」が発揮されることがとても大切だと思います。やるべきことはやりたくなくても「させる」。やってはいけないことは「させない」。それらは、とても大切な保護者のかかわり、教育だと思います。(泣こうがわめこうが絶対させる、叩いてでもさせるという意味ではまったくありません。常識の範囲内でのことです)
子どもの気持ちを汲み取り、「やりたくないよねー」「スマホ見続けたいよねー」と共感することは大切な一方で、その状況で求められる行動を「させる」ことは、判断力、適応力、我慢力、あきらめ力、感情や衝動をコントロールする力などを育むことにつながります。
しかし、それは分かっているのだけど、それを難しくさせる理由があることも事実です。
- 子どもはいつかできるようになる。だから、親がうるさく言う必要はない。
- 幼稚園でできるようにしてくれるだろう。みんなのしていることを見て覚えるだろう。
- 「させる」ことで、子どもに嫌われたくない。
- 「させる」ことで、子どもが大泣き、癇癪が起るのが大変。子育てのストレスをできるだけ軽くしたい。
- 子どもの自由を尊重したい。子どもの思いに寄り添ってあげたい。
- 私に「させる」資格があるのか?させるに値する人間なのか?
- 自分で気づく子になってほしい・・・気づくまで待つ。
- それを「させる」ために、何をどうしたらいいのか、どこまでやっていいのかわからない。
- このやり方をしても大丈夫なのか?やっていいのか確証が持てない不安。
- 間違ったやり方で、状況を悪化させないか不安。それを他人から指摘され惨めな思いをしたくない。
- させて、親子関係が悪化するのは嫌。
- 子どもをかわいく思えなくなるのではないか心配。
子育てをしていると、保護者の自信のなさや、自分の心の課題に直面させられ、心を大きく揺さぶられることも多々あります。不安にさせられたり、落ち込まされてしまうことも。とてもストレスがかかるし、疲労困憊する営みが子育てです。
子どもさんの個性もいろいろ、保護者の価値観も人それぞれです。だから、「させる」ことが正解とも思いません。しかし、子どもたちがこれから人間同士、社会で共存しお互い幸せな生活を送るためには、やるべきことをこなし、自制し、判断・選択して長期的な幸せをつかみ取る力を身につけことが求められます。子どもたちがその課題を乗り越えるためにも、その気持ちに共感しつつも、「させる」機会を大人が提供することも大切なのではないか・・・と、思っています。
夫婦が子どもを育てる機会は、人生の中で1人から多くても5人です。経験がない中で子育てという難しい作業を続けていかなくてはなりません。ゆえに、一人でこなす子育てはあまりにも辛いものになりやすいです。大変なことは一人で抱えず、いろんな人たちとつながり、助け、助けられたいものですね。