辛い体験を、成長の力に変えていく
〜レジリエンス(回復力)を育む心理療法〜
失敗や挫折のあとに、人は大きく成長できる
オリンピック真っ只中ですね。
ケガをしてしまったり、プレッシャーで本来の能力が発揮できなかったり。勝利を勝ち取る者もいれば、敗北という痛手を負う物も生まれる。一度は引退を考えるものの、それでもアスリートは、困難を乗り越えて、さらに次の勝負に立ち向かっていく。
こうしたアスリートの姿に、私たちは自然と希望を重ねます。
大きな挫折を経験した人が、自分と向き合い、壁を越え、以前よりもしなやかで強い姿で戻ってくる——そのドラマに胸を打たれるのです。
これは、特別な才能を持つ人だけの話ではありません
実は、私たち一人ひとりにも、苦しい経験のあとに成長する力が備わっています。
心理学では、この人間が本来持っている回復力を「レジリエンス」と呼び、
辛い体験を通じて新しい視点や生き方を獲得することを「心的外傷後成長(PTG: Post-Traumatic Growth)」と呼びます。
つらい体験によって心が傷つくだけでなく、
- 物事の捉え方が深まる
- 人とのつながりが変わる
- 自分らしい生き方に近づく
そんな人の回復力と可能性に光を当てた考え方です。
関係性の中で傷ついた経験にも、成長の可能性がある
たとえば、「関係性トラウマ」と呼ばれる体験があります。
これは、事故や災害のような一回の出来事ではなく、
人との関係の中で繰り返し傷ついた経験によって生じる心の痛みです。
こうした経験はありませんか?
幼少期から親に「あなたのために言っている」と言われながら否定され続け、自分の気持ちを表現することが怖くなった。社会人になっても、上司の顔色を常に伺い、「私が我慢すればいい」と自分を後回しにする癖が抜けない…。
パートナーから「お前は何をやってもダメだ」と言われ続け、自分の価値が分からなってしまった。離婚後も「また失敗するのではないか」という不安が消えず、新しい関係を築くことが難しい…。
大切な友人からの突然の裏切りを経験し、人を信じることが怖く…。誰かと親しくなりそうになると、「また傷つくかもしれない」と距離を取ってしまう…。
「弱いから」ではなく、誰の心にも影響を残すもの
こうした体験は、
「自分が弱いから」「気にしすぎだから」と片づけられがちです。
しかし、実際には誰の心にも深い影響を残すものです。
同時に、丁寧に向き合うことで、
✨ 「自分の感情を大切にしていい」
✨ 「無理な関係から距離を取っていい」
✨ 「本当に安心できるつながりを選んでいい」
そんな新しい視点や生き方を育てるきっかけにもなります。
エンパワーメント:あなた自身の力を取り戻す
ただし、自然に放っておけば必ず成長できる、というわけではありません。
痛みを抱えたまま無理をすると、同じ関係性を繰り返してしまうこともあります。
大切なのは、
- 安全な場で、経験を言葉にすること
- その体験を、新しい視点で意味づけし直すこと
- 自分自身の力(エンパワーメント)を取り戻すこと
当ルームの心理療法は、そのプロセスを一人で抱え込まずに進めるための伴走です。
実際の成長のプロセス
自分を知る取り組みを通じて、「我慢するのが当たり前」という前提に気づけた。少しずつ自分の気持ちを言葉にする練習を重ね、今では職場で以前よりも自分の意見を伝えられるようになった。「自分を大切にすることは、わがままではない」と思えるようになった。
過去の無力な関係の中で刻まれた「自分はダメだ」という自己イメージと向き合うことで、それは事実ではなく、過去の環境が作り出したものだったとわかった。それから、さまざまな選択に対して、まずは自分を大切にする選択をするという、勇気が湧いてきた。
Cさんのその後:
「人を信じられない自分」理由がわかった。それは、「自分を守るための賢い適応だった」と捉え直すことができた。自分を責めるのをやめて、少しずつ心を開いてみるという挑戦をちょっとずつしてみたいと思えるようになった。
成長の入り口に立っているあなたへ
もし今、
「なぜ同じことで苦しくなるのだろう」
「この経験には意味があったのだろうか」
そんな問いが心に浮かんでいるなら、
それは成長の入り口かもしれません。
あなたの人生の物語が、ここからどう続いていくのか。
関係性の中で負った傷も含めて、
その次の一章を一緒に探してみませんか。
辛い経験を抱えたあなたには、
それを乗り越え、成長する力が必ずあります。
その力を引き出すお手伝いを、させてください。
これまでがんばってきたあなたに、安心して、安全を実感していただき、あなたのペースでお話しいただける、安全基地がみんなの心理相談室cont-eです。
その心の痛みは、一人で抱えないでください。