子どもを理解するには「いろんな角度」から見ることが大切です
3〜5歳のお子さんは、ことば・運動・感情・お友だちとの関わりなど、いろいろな力がぐんぐん伸びていく時期ですね。
でも同時に、まだまだ発達の途中。「昨日はできたのに、今日はできない」「さっきまで機嫌が良かったのに、急に泣き出す」なんてこと、ありませんか?
だからこそ、目の前の行動だけで判断してしまうと、お子さんの本当の姿を見逃してしまうことがあるんです。
お子さんを理解するには、一つのことだけでなく、からだ・心・ことば・感覚・生活環境など、いろんな角度から見ることがとても大切です。
1. 行動には必ず「理由」があります
3〜5歳のお子さんの行動には、必ず何かの理由があります。
たとえば…
朝の支度で靴が履けない
「もう年中さんなのに、毎朝靴を履くのに時間がかかる…」
これは…
- 手先がまだ不器用で、マジックテープや紐がうまく扱えない
- 「早く行こう」と急かされて、気持ちの切り替えが難しい
- 園での何かに不安があって、行きたくない気持ちが表れている
といった理由が隠れているかもしれません。
公園でお友だちの輪に入れない
「他の子は楽しそうに遊んでいるのに、うちの子だけポツンとしている…」
これは…
- まだ人との関わり方が分からず、どう声をかけていいか戸惑っている
- 周りの音や動きに敏感で、刺激が多すぎて疲れてしまう
- お友だちと遊んだ経験が少なく、様子を見て学んでいる最中
といった可能性があります。
夕方の癇癪
「お迎え後、些細なことで泣いたり怒ったり…」
これは…
- 1日頑張った後で、感情のコントロールが難しくなっている
- お昼寝が短くて睡眠不足気味
- 園での出来事にストレスを感じていて、家で発散している
ということかもしれません。
一見「わがまま」や「性格」に見えることも、実は感覚の感じ方や発達のペース、周りの関わり方が影響していることが多いんです。
いろんな角度から見ることで、行動の奥にある「本当の気持ち」や「困りごと」が見えてきます。
2. 発達のペースは、一人ひとり違います
3〜5歳は、お子さんによって成長のペースがとても違う時期です。
たとえば、同じクラスの子どもたちでも…
- Aくん:おしゃべりが上手で、お話を作るのが得意。でも、じっと座っているのは苦手
- Bちゃん:ことばはゆっくりだけど、絵を描くのが大好きで集中力がすごい
- Cくん:ごっこ遊びで先生役をやるのが好き。でも、ブロックや工作はあまり興味がない
- Dちゃん:体を動かすのが大好きで、走るのも登るのも得意。でも、お友だちとのやりとりはこれから
どれも「その子らしさ」であり、得意・不得意があるのは自然なことです。
一つの基準だけで「遅れている」「問題がある」と決めつけてしまうと、お子さんの良いところも見えにくくなってしまいます。
いろんな角度から見ることで、お子さんのペースを尊重しながら、安心して成長を見守れます。
3. 「遊び」には、心と体の発達が表れます
遊んでいる姿を見ると、その子の発達がよくわかります。
砂場で遊ぶ姿から見えること
- 手の使い方:スコップの持ち方、砂の掘り方
- 想像力:「ケーキを作ろう」「お山を作ろう」という発想
- お友だちとの関わり:「貸して」「一緒に作ろう」のやりとり
- 感情の表れ:うまくいかない時の反応、完成した時の喜び
ブロック遊びから見えること
- 空間認識:高く積む、形を組み合わせる
- 集中力:どのくらい続けられるか
- 工夫する力:崩れたらどう立て直すか
- 達成感:作り上げた時の表情
遊びの中には、運動・感覚・ことば・社会性など、いろんな面が自然に表れています。
遊びは、お子さんの発達そのものと言ってもいいくらいです。
4. 子どもは「環境」の影響を強く受けます
たとえば、こんな場面
朝はぐずるけど、お昼過ぎは機嫌がいい → 朝の忙しい雰囲気や、急かされる感じがストレスになっているのかも
園ではしっかりしているけど、家では甘えん坊 → 園で頑張っている分、家で安心してリラックスしているのかも
下の子が生まれてから、急に赤ちゃん返り → 環境の大きな変化に、自分なりに対応しようとしているのかも
休み明けは登園を嫌がる → 生活リズムの変化や、園への切り替えに時間がかかるのかも
3〜5歳のお子さんにとって、環境は自分自身を形づくる大きな要素です。
いろんな角度から見ることで、「スキルの問題なのか」「環境を整えれば改善するのか」が判断でき、お子さんを必要以上に責めずに済みます。
5. 子どもの「強み」を見つけられます
発達は、すべてが均等に進むわけではありません。
実際にあった例
Eくんの場合
- ことばはゆっくりで、お友だちとのおしゃべりは苦手
- でも、体を動かすのが大好きで、鉄棒や登り棒が得意
- → 運動遊びを通じて自信をつけ、少しずつお友だちとも関われるように
Fちゃんの場合
- 感情のコントロールが難しく、思い通りにならないとすぐ泣いてしまう
- でも、絵を描くことが大好きで、色使いや表現力が豊か
- → お絵描きの時間に気持ちを表現することで、少しずつ落ち着けるように
Gくんの場合
- 集団行動が苦手で、みんなと一緒に活動するのを嫌がる
- でも、虫や植物への興味がすごく、じっくり観察するのが得意
- → 「虫博士」として周りから認められ、それがきっかけでお友だちとも話せるように
**一人ひとりに必ず「その子らしい強み」**があります。
いろんな角度から見ることで、困りごとの裏にある強みや魅力にも気づけます。
その強みを伸ばすことが、将来の自信や学びの土台につながっていきます。
まとめ
お子さんの行動は、「発達・感覚・心・環境」が組み合わさって生まれています。
一つの面だけを見るのではなく、総合的に理解することで、お子さんが安心して成長できる関わり方が見えてきます。
そして、お子さんをいろんな角度から理解するということは、一人の「人」として尊重し、ありのままを受け止めることにつながります。
それが、お子さんにとって最も大きな安心であり、成長の原動力になります。
お子さんの今の姿を、あたたかく見守っていきましょう。