叱ることが苦手な保護者さんへ
「子どもを叱らなきゃいけないのは分かっているけど、うまくできない」「叱ると子どもが悲しそうな顔をするのがつらい」「叱り方が分からなくて、ついそのままにしてしまう」——そんなふうに感じている保護者さんも多いのではないでしょうか。
子どもを叱ることは、決して「怖い親になる」ことではありません。本当に大切なのは、子どもが安心できる環境の中で、大切なことを学びながら成長できるようサポートすることです。
なぜ叱るのが難しいのか?
「叱るのが苦手」と感じる背景には、いろいろな理由が考えられます。
- 子どもに嫌われたくない
叱ることで子どもとの関係が悪くなるのではないかと不安に思うこともあります。でも、大丈夫。愛情を持って伝えれば、子どもとの絆が壊れることはありません。 - 親自身の育ち方の影響
「自分が厳しく叱られて嫌だったから、子どもには優しくしたい」と思うこともあります。でも、「厳しく叱る」と「しっかり伝える」は違います。怒鳴ったり怖がらせるのではなく、ルールや大切なことを穏やかに伝えることが大事です。 - どう叱ればいいか分からない
「叱るときは短く・分かりやすく」がポイントです。長い説教になったり、感情的になったりすると、子どもは内容よりも「怒られた」ことばかり意識してしまいます。
叱ることは、愛情のひとつ
叱ることは、子どもにとって「あなたのことを大切に思っているよ」というメッセージでもあります。
例えば、道路に飛び出しそうになったとき「危ないからやめようね」と伝えるのは、子どもを守るためですよね。それと同じように、「お友だちを叩くのはやめようね」「お片づけをしようね」と伝えることも、子どもが社会のルールを学びながら成長していくために大切なことです。
やさしく、でもしっかり伝えるために
叱るときに大事なのは、「行動」にフォーカスすること。子どもの気持ちを尊重しながら、どうすればよかったのかを伝えると、保護者さん自身も気持ちが楽になります。
- ✖「なんでそんなことするの!」
→ ◎「おもちゃを投げると壊れちゃうよ。大事に使おうね。」 - ✖「もう!いい加減にして!」
→ ◎「お片づけしようね。次に遊ぶときに気持ちよく使えるよ。」
叱ることは、子どもを否定することではなく、良い方向へ導くこと。やさしい言葉でも、伝えたいことはしっかり伝わります。
叱った後のフォローも大切
叱った後、「お母さん(お父さん)はあなたが大好きだよ」という気持ちを伝えてあげると、子どもは安心します。ギュッと抱きしめたり、「さっきは叱ったけど、○○ちゃんが大事だから伝えたんだよ」と言葉を添えると、子どもも「ちゃんと愛されているんだ」と感じることができます。
お母さん自身を責めないで
子育ては毎日が試行錯誤です。うまく叱れない日があっても、それで保護者さんの価値が決まるわけではありません。
もし「どう叱ったらいいか分からないな」と感じたときは、一人で抱え込まず、周りの人に相談してみましょう。育児の話を誰かとするだけでも気持ちが軽くなります。
保護者さんが笑顔でいられることが、子どもにとっても一番の安心です。焦らず、少しずつ、保護者さん自身のペースで「伝える力」を育てていきましょう。
—— あなたの愛情は、ちゃんと子どもに伝わっていますよ。