「何度言ってもやらない!」問題…
「何度言ってもやらないんです」と、子どもに悩むお母さんの声をよく聞きます。けれど、大人の言葉だけでは、子どもの心に届かないことも多いのです。
子どもは、“言葉”ではなく“体験”からも学ぶからです。
たとえば、「片付けなさい」と何度も言うよりも、一緒に片付ける姿を見せてあげることで、「こうやってやるんだ」と、さらに、援助の手を徐々に引いていく。そうやってかかわることで子どもは身体で覚えていきます。目に魅せられた大人の上手さは「憧れ」となります。
また、「ありがとうを言いなさい」と注意するよりも、親が普段から店員さんや家族に「ありがとう」と伝える姿を見せることで、自然と子どもも真似をするようになります。物を渡すときに、「ありがとう」と子どもが言うまでニコニコ自然に待ち自分の手から離さない。ちょっとだけ渡すタイミングを遅らすというテクニックもあります(私もママ友から教えてもらったテクニック)。学校の先生の叱り方が悪いと大人が子どもの前で悪口を言っていると、子どもは「こうやって人を悪者にすればいいんだな…」と学びます。
言葉で教えるだけでなく、その言葉を「行動」で見せてあげること。それが、子どもの学びにとっていちばんの教科書になります。そしてそれが、私たち大人が子どもにできる大切な役割のひとつなのです。
また、ロールモデルとしての存在も、子どもにとって非常に大きな影響を与えます。ロールモデルとは、子どもが自分の行動や考え方、価値観を学び、模倣するための「お手本」となる人のことです。子どもの憧れになるということ。
たとえば、誰かに優しく接する親の姿を見て、子どもも人にやさしく接するようになったり、失敗したときに落ち着いてやり直す親の姿から、挑戦する勇気やあきらめない姿勢を学んだりします。
日常のなかでのちょっとした姿勢や態度こそが、子どもの心に深く残り、将来の行動や価値観に影響を与えていきます。
子どもは、身近な大人を見て学び、自己像を作り上げていきます。言葉と行動が一致しているとき、子どもは安心して学び、少しずつ自分でできる力を育んでいきます。
そして、良いロールモデルとしての姿勢が、子どもの未来に大きな影響を与えるのです。
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