ガスライティングの恐怖、ご存じですか?
ガスライティングとは、相手に嘘や歪められた情報を何度も浴びせることで、自分の記憶や感覚に自信をなくさせ、最終的に「自分がおかしいのかもしれない」と信じ込ませる恐ろしい心理操作です。
あなたが夫に「この前、あなた怒鳴ったよね?」と言うと、
「は?俺が怒鳴った?そんなこと絶対にないよ。むしろ、あなたがヒステリーになって大声を出してたよ。」
あなたは「そんなはずはない」と思うけれど、相手があまりにも自信満々に否定するので、「私が勘違いしていたのかもしれない……?」と、記憶が揺らぎ始める。
「最近、同僚が冷たい気がする」と相談すると、
「え?そりゃそうだよ、君がおかしいって、みんな言ってるもん。俺だけじゃなくて、周りもそう思ってるよ?」
周囲の人間まで自分を否定していると思わされ、誰にも助けを求められなくなってしまう。
このように、人とのやり取りの中で、私が「おかしいのかな?」と思ったことありませんか?
でも、そういわれても、何がおかしいのかが分からない。
最初は「記憶違いかな」と流していた。けれど、何度も何度も「違う」「間違ってる」と言われ続けるうちに、自分の記憶に自信がなくなってきてしまった…。
「君がちょっと神経質すぎるんじゃない?」
「そんなこと、俺(私)は言ってないよ」
「もしかして、病気かもね」
そんな言葉が突き刺さる。気づけば、自分が何を信じればいいのか分からなくなってくる。まるで見えない檻に閉じ込められたような感覚…。外から見れば私は自由に見えるかもしれない。でも、どこにも行けなくなっている。
「ねえ、私は間違ってないよね?」
「私の考え、おかしくないよね?」
不安が募り、他者に「確認」したい衝動に駆られるようになり、自分を信じられない気持ちになってしまった…。
ガスライティングは、暴力ではない。でも、それは相手からの発言や振舞によって確実に心を壊されていく。「そんなことはなかった」と言われ続けることで、私の現実が少しずつ奪われていく…。やがて、自分の記憶も感情も判断もが疑がわしくなり、すべてが操作されてしまう。
もし、あなたが「何かおかしい」と感じたら、その直感を信じてください。誰かに「間違っている」と言われても、あなたの感じたことは、あなたにしか分からない価値を持っています。記憶を歪められる前に、現実を奪われる前に、どうかガスライティングという対人操作があることを知っていてください。
心理的な混乱に気づいたら、お気軽にご相談ください。
