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うちの子、鏡文字になっちゃう…

小学校1〜2年生(7歳前後)までの鏡文字は、ほとんどの場合、成長とともに自然に消えていきます。

見る力と発達のおはなし

「し」が反対向き!?
子どもの「鏡文字」、どう見守る?

おうちでできる、楽しいサポートのヒントをご紹介します

「名前を書いたら『く』が反対向きになっていて…」
「何度教えても『b』と『d』が入れかわってしまうんです」

教室でも、保護者の方からこんなご相談をよくいただきます。文字の左右がくるっと反転してしまう「鏡文字(ミラーライティング)」は、5〜7歳ごろのお子さんにとても多く見られる、発達の途中にあるごく自然な姿です。

「目が悪いのかな」「覚えが悪いのかな」と心配になるかもしれませんが、多くの場合そうではありません。今回は、鏡文字が起こるしくみと、おうちで楽しくできるサポートをお伝えします。

鏡文字が起こる、3つの理由

文字を書くとき、子どもは「目で見る」だけでなく、見たものを脳で整理し、からだを動かして形にするという、たくさんの力を同時に使っています。鏡文字の背景には、この力がいま育っている最中、という事情があります。

1「向きがちがっても同じもの」と考える脳のしくみ

私たちの脳は、ものの向きが変わっても「同じもの」と判断できるようにできています。

マグカップの持ち手が右にあっても左にあっても、同じ「マグカップ」ですよね。ワンちゃんが右を向いていても左を向いていても、やっぱり「ワンちゃん」です。

ところが文字だけは例外。「b」と「d」、「さ」と「ち」のように、向きが変わると別の文字になってしまいます。「文字は向きが大事」という特別なルールが脳にしっかり定着するまでには、少し時間と経験が必要なのです。

2からだの「右と左」の感覚がまだ育ち中

子どもはまず「自分のからだの右と左」をおぼえ、それから「向かい合った人の右左」「紙の上の右左」へと理解を広げていきます。

「右手をあげて」はできるのに、向かい合って「先生の右手はどっち?」と聞くと迷ってしまう。これも、左右の感覚がまだ発達の途中というサインです。

からだの真ん中の線(正中線)をこえて左右を正しく使い分ける感覚が固まるまでは、書く向きがひっくり返りやすいのです。

3手には「動かしやすい方向」がある

腕は、からだの内側から外側へ向かって動かすほうがラクにできています。

左利きのお子さんが「つ」や「く」を書くとき、右から左へ線を引くほうが自然なため、ついつい反対向きになってしまうことがあります。右利きでも、左から右へ線を引くのが苦手なお子さんには同じことが起こります。

本人に「わざと」の気持ちはまったくなく、からだの動かしやすさに素直に従っているだけなんですね。

おうちでできる、楽しいサポート

ついドリルを何度も書かせたくなりますが、「また間違えてる!」が続くと、お子さんは書くこと自体が苦手になってしまいます。ポイントは、目・からだ・指先の感覚を組み合わせて、遊びながら育てることです。

1からだで「右・左」を感じる遊び

「右手で右のおみみ、さわって!」「次は左手で右のおひざ!」と、手と足を交差させるタッチ遊び。ツイスターゲームや「あっち向いてホイ」も、楽しみながら左右の感覚が育ちます。

お散歩中に「次の角は右に曲がるよ。右ってどっちの手?」と声をかけるのもおすすめです。

2「ここからスタート!」の目印をつける

ノートのマスの左上に、小さな赤いシールや星マークを貼っておきます。「赤い丸からスタートして、右へすすむよ」と声をかけると、書きはじめの迷いがぐっと減ります。

目で見てわかる「基準」があるだけで、子どもはとても安心して書けるようになります。

3指先でさわって、文字をおぼえる

粘土をへびのように細長くのばして「し」の形をつくる。お砂やお塩をひいたトレーに、指で大きく「つ」を書く。紙やすりを文字の形に切って、指でなぞる。

指先から伝わる感覚は、「見る」と「手を動かす」をつなぐ大きな助けになります。鉛筆を持つ前のウォーミングアップとしてもぴったりです。

4鏡を使って「自分で気づく」

反対向きになった文字に手鏡をあてて、「見て!鏡にうつすと、絵本と同じ字になったよ!」とクイズのように見せてみます。

大人に指摘されるのではなく、「あっ、向きが反対だったんだ!」と自分で発見できるのがポイント。間違いが「おもしろい発見」に変わります。

声かけのちょっとしたコツ

△ ついつい言いがち「また反対!何回言ったらわかるの?」
◎ こんなふうに「おしい!ここの向きだけクルッとしたら完ぺきだね」
△ ついつい言いがち「10回書いて練習しなさい」
◎ こんなふうに「粘土でこの字つくってみようか。どっちが早くできるかな?」

「書けた!」「わかった!」という小さな成功体験を積み重ねることが、いちばんの近道です。

こんなときは、相談してみてください

小学校1〜2年生(7歳前後)までの鏡文字は、ほとんどの場合、成長とともに自然に消えていきます。ただ、小学校3年生以降も鏡文字がよく見られるときや、次のような様子が重なるときは、目の使い方(両目のチームワークや目の動き)や、見たものを理解する力のサポートが役立つことがあります。

  • 音読のときに行を飛ばしたり、同じ行を何度も読んだりする
  • 文字の形をおぼえること自体が、とても苦手そう
  • 階段の上り下りやボール遊びで、距離感をつかむのが極端に苦手
  • 黒板の字をノートに写すのに、とても時間がかかる

気になる様子があるときは、当教室にご相談ください。

鏡文字は、お子さんの脳とからだが一生けんめい育っている証でもあります。あせらず、楽しみながら、一緒に見守っていきましょう。

目とカラダの発達教室 cont-e

「見る力」と「からだを動かす力」の両方から、
お子さん一人ひとりの育ちをサポートしています。

鏡文字のこと、書くことへの苦手さなど、
気になることがあれば一緒に考えていきましょう。

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