手先の不器用さとビジョントレーニングの関係
手先の不器用さと視覚機能は密接な関係があります。視覚情報は、私たちの手先の運動を制御するために不可欠です。なので、ビジョントレーニングによって手先の不器用さの改善が期待できるのです。
以下にその関係を詳しく説明します。
1. 視覚情報のフィードバック:
目は手の動きを監視し、その情報が脳で処理されます。手が物体に触れる位置や角度、距離などの情報が脳に提供されることで、運動をつかさどる脳の領域とつながって、手先を正確に制御し、物体をつかんだり操作したりすることが可能になります。ビジョントレーニングが脳機能トレーニングと言われることも納得です。下の映像では、目からの情報と指先の情報が統合され、えんぴつをつかむことを可能にすべく、目まぐるしい情報交換がなされているのですね。
2. 手と目の協調:
手先の動作では、視覚情報をより注意深く処理し、その情報をもとに手先の動きを微調整する必要があります。手が目的地点に近づいていることを目が捉えれば、手の移動スピードを抑えて止める。そんな目と手の協調がなされています。それに伴う注意集中の持続なども必要になりますね。これらの機能が、精密な作業や細かい作業を行う際に特に重要になります。例えば、書字、楽器の演奏、細かい工作、絵画などが該当します。不器用さにはこうした苦手さも影響を受けるわけです。
3. 視覚情報の処理:
視覚情報は脳に送られ、手の運動を制御するための計画や予測、さらに調整に使用されます。視覚情報を正確に解釈したり、それらの情報を動作にうまく変換できないことで手の不器用さが生じる可能性が高まります。ビジョントレーニングではこうした視覚情報と動作のチームワークを高めるためのエクササイズを実施していきます。
4. 練習と改善:
手先の器用さは練習によって向上させることができます。視覚フィードバックを活用しながら、特定の動作や技能を練習することで、手先の不器用さを克服することができます。苦手さに応じたエクササイズをしていくわけですが、指定された場所にものを移動させたり、物を操作する作業を机上で行うワークや、手先の巧緻性に焦点を当てる前に、ダイナミックに身体を動かす粗大運動に焦点を当てて視覚情報と身体運動の連動を強化するエクササイズなどもしていきます。
視覚機能は手先の運動制御に重要な役割を果たしており、手先の不器用さを改善するためには視覚情報を最大限に活用することが必要です。そうした目的のもとビジョントレーニングではさまざまなエクササイズに取り組んでいきます。